メンタルヘルス不調を防ぐために大切なのは、まず働く人一人ひとりが「自分の心の健康は自分で守る」という自覚をもつこと、そして日々セルフケアを心がけることです。本連載ではセルフケアとして知っておきたい、ストレスへの気づきと対処法などをまとめています。
第3回
働く人が気をつけたい 心の病気
「まさか、自分に限って」という過言は禁物です。心の病気(精神疾患)は、強いストレス状態が長引けば、誰もがかかるおそれがあります。仕事のストレスと関連がある主な病気について知っておきましょう。
何科に受診する?
- 身体症状と軽めの精神症状があらわれている場合
- 心療内科
- 精神症状が強くあらわれている場合
- 精神科
いずれの科も「メンタルクリニック」という看板を掲げている場合もあります。迷ったときはかかりつけ医、職場の産業医や産業保健スタッフ、最寄りの保健所や精神保健福祉センターなどに相談しましょう。適切な専門医を紹介してくれます。
- うつ病気分が落ち込み、何も楽しめない
セルフチェック1日中、気分が落ち込むといった精神症状とともに、眠れない、食欲がないなどの身体症状があらわれ、日常生活に支障がでます。ストレスなどによる脳の機能低下が原因のひとつと考えられており、単なる気の持ちようではありません。治療で改善できますが、放置してからだと回復に時間がかかります。自殺に至ることもあるため、早めの受診が大切です。
- ほとんど1日中ずっと憂うつであったり沈んだ気持ちだ
- ほとんどのことに興味が持てない、または、大抵いつもなら楽しめていたことが楽しめない
- 睡眠に問題がある(寝つきが悪い、真夜中に目が覚める、朝早く目が覚める、寝すぎてしまうなど)
- 自分に価値がないと感じたり、罪の意識を感じたりする
- 集中したり決断したりすることが難しいと感じる
上記のうち、すくなくとも1と2のどちらかを含んで3つ以上があてはまり、その状態が2週間以上続いていたら、要注意です。
BSID(Brief Structured Interview for Depression)より
- 睡眠障害眠れない、熟睡できない
セルフチェック睡眠のトラブルは誰でも経験しますが、大抵は一時的なものです。ところが不眠などが長引いて心身の休息が不十分となり日常生活に支障が出ていたら黄信号です。かかりつけ医に相談し、睡眠指導や睡眠薬などによる治療をしても改善しない場合は、精神科や心療内科などの専門医に相談してください。
- 疲れているのに寝つけない
- 途中で何度も目が覚める
- 早朝に目が覚める
- 十分睡眠をとっているのに熟睡感がない
1つでもあてはまり、2週間以上続いていたら要注意です。
- 適応障害状況・環境に適応できない
なんらかの環境変化があり、それによって憂うつ感や不安感などの情緒面、学校や職場に行きづらいといった行動面に支障が生じる状態です。うつ病や不安症ほど重症度は高くありませんが、回復には通院治療だけでなく、環境適応に向けて本人の工夫や職場の協力が必要になることが多いです。
- 依存症わかっていても、やめられない
「このままではいけない」とわかっていても、自分ではコントロールできず、健康を害したり、仕事、家庭生活、人間関係の破綻を招いたりします。依存対象にはアルコール、薬物など物質に対するもの、ギャンブル、買い物、ダイエット、ネット・ゲームやSNSなど行為に対するものがあります。自覚しにくい病気なので、周囲の人が支援や治療につなげる必要があります。
- 不安症
不安を感じることは病気ではありませんが、不安により精神面、身体面、行動面の症状があらわれ日常生活・社会生活への支障が続く状態をいいます。パニック症が代表的です。
- 心の病気について、もっと知りたくなったら
- こころの情報サイト https://kokoro.ncnp.go.jp/
- 心の病気や病気支援、サービスに関する情報があります。国立精神・神経医療研究センターが作成・運営するサイトです。
すき間時間にどこでもできる簡単な体操を紹介します。1つの動作を4秒で行う「4秒筋トレ」、30秒で体幹を鍛える「体幹筋トレ」、筋肉を整える「ストレッチ(上半身・下半身)」の4種類の体操があります。今いる場所をジムにする“どこでもジム”で、筋トレ&ストレッチに取り組みましょう!
- 「背中引き締め」
- 足を肩幅にひらく
- ペットボトルを右手にもち、ひざは軽く曲げる
- イスの座面に左手をつき、背筋をのばす
- 「1、2、3、4」と数えながら右ひじをもち上げる
- 反対の手も同様に
- 「バンザイ肩甲骨」
- 両手をクロスし、手のひらを合わせる
- 両手を上げる
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参考資料『どこでもジム』監修:都竹茂樹 大阪大学スチューデント・ライフサイクルサポートセンター教授・医師 東京法規出版刊